「タンポポって花があるよね。種を風に乗せて飛ばすやつ」
./^l、.,r''^゙.i′ 「うん?」
l゙:r i:i′ .| 「綿毛の種は風に運ばれて、故郷から遠く遠く離れて、
:i^¨''iノー-i (_.vv,、 もしかしたら草木なんか一本も生えてない砂漠に落ちちゃうかもしれない
i.、/:::::::::::::::::゙彳_ > そんなとき、たった一粒のその種が何を思うか・・・・・・それを想像してくれれば、
_,ノ i::::::::::::::::::::.('`,.ヽ 解ってもらえるかもしれない。わたしのこと」
( 、:|:::::.i;i;i:::::::::::i:.'^゙'< 「・・・・・・」
'' ::.!:::::.ii;i.|::::::::::.i‐ ,フ'' 僕はしばらく自分の中で、沙耶の答えを吟味した。その間にも沙耶は、たとえ話の先を続ける。
.< :::i::::::.ii;i;|:::::::::.,「=( 「種は、もちろん草の種だからね。
`ー::|,.:::::i;i;::::::::::/.\^':、 その気になって頑張れば、砂漠を砂漠じゃなくしてしまえる。
./゙,r|:::::::::::::::::,i゙.'!'=;^′ ただ一粒だけの種でも、もしかしたら、頑張ろうって思うようになるかもしれない。
.) ,/ソ,:::::::::::,l'_ .).:r そんな風にタンポポの種が心を決めるとしたら、どんなときだと思う?」
゙'レ'´i''!゙ー/'(゙゙ | .| 「・・・・・・それは?」
| ._,i'!(冫.;i .| 「それはね、その砂漠に――たった一人だけでも――
.. |. | 花を愛してくれる人がいるって知ったとき。
.! .i ._,,,‐''^^'''''> タンポポの花は綺麗だね、って、種に話しかけてくれたとき」
、....,,,,..,,_ ! .;! .,/'゙`,_ .,ノ
\ .⌒\ │ .|!.,,iミ/ ._,,,./′
i '^'''‐、..゙'hノ| .|厂 . ̄′
.ヽ_ ゙メリ| .|
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